山と登山技術

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■18 / 親記事)  ゴールデンウィーク「硫黄尾根」
  
□投稿者/ オジサン -(2002/04/17(Wed) 23:29:05)
    第┃ 33┃回┃「ゴールデンウィーク」報告3(2001/5/10 )
    ▲2001年4月27日〜5月1日「硫黄尾根」
    今回のGW前半を硫黄尾根に決めたのは、22日。「この冬の北鎌の経験を基に取り組める」と言うアドバイスと、硫黄は私自身の行ってみたいルートの一つだったから。
    4月27日(金) 新宿発23時50分 信濃大町行き急行アルプス
    4月28日(土) 第1日目 高瀬ダム〜小次郎沢のコル
    高瀬ダムでタクシーを降りる。(今年から、4月中のGWにもタクシーが高瀬まで入れるようになったとのこと。)超軽量の靴で歩き出す。7時ごろか。北鎌は、P2基部を目指して七倉からプラブーツでタカタカ歩いた。今回は、手に入った記録から、何とかP4・5の間まではと考えて、会話をしながら歩くには少し早めのテンポで進んだ。運動靴で雪の斜面など出てくると、滑るという先入観から及び腰になる。足の運びが一本のラインになっていると指摘される。アイゼンの爪を引っ掛けやすい原因だ。湯俣で硫黄臭を確認してから、水俣川にかかる吊橋を渡る。北鎌の時に、最初に出てきた渡渉点の上をトラバースする。悪いのでしっかり足を置きながら進む。(北鎌のときは、Tさんが行きかけてやめたルートだ。)しばらく進んで、右手に熊笹の中に、道あり。赤布も見える。ここで、北鎌と離れていく。急登を少し行くと尾根に出る。雪。プラブーツに変える。急登で足を滑らせる。こんな所で!!
    クサッタ雪がなんとも歩きにくい。寒かろうが固くしまったアイゼンのばっちり効く雪のほうがどんなに歩きやすいか。へたくそなルートファインディングでとりあえず進むが、調子が出ない、というより調子が悪い。どうやら、2日間の睡眠不足(かなり)が効いているようだ。まずい。一向にペースは上がらず、緊張感までうせていきそうだ。危ない。懸垂の支点が出てくる。落石に注意しながら降りる。必要のないところでザイルをもらい(あの不調からすれば仕方ないと思う)、ちょっとショックだったりしながら、小次郎沢のコルまで到着。4時半。
    硫黄岳前衛峰群(P1〜6)は越えた。テントの中で、ろうそくを使うのはめったにない。初めて使った、タブキャンドルがなかなか面白い。紙縒りを作って芯にして、炎を2本立てにしてみたり・・・。水分をたくさん取る。いつもの通で必要分の飲み物を用意したが全く足りない。香りがするかな?程度に薄くなった飲み物を口にすることになる。
    4月29日(日)第2日目 小次郎沢のコル〜中山沢のコル?時発。硫黄岳を踏み、硫黄台地で一本取る。ここから、北鎌と平行する。雷鳥ルンゼは懸垂で下る。一本下ったところから、硫黄の特徴、脆い岩稜の始まりだ。赤岳ジャンダルム群に入ってからだったか、岩をホールドにしながらトラバースしていたとき、左手の岩もろとも引き離された。それでも留まろうとする私の身体は、お腹にパンチを食らったような体勢をとってトンと落ちた、お尻の右の骨が雪から出ていた岩の上に。その後、数メートル雪面を滑り、止めてもらった。ピッケルのリストバンドが抜けるが、すぐ下で止まってくれた。クサッタ雪に感謝しなきゃかな。なんだか、まるで初心者みたいな気分に、ちょっぴり情けないものを感じながら、トラバースする。その後、捨て縄を2・3箇所で使いながら懸垂を繰り返す。一ヶ所、荒縄らしきものが残っている支点あり。時代の流れをひしひしと感じた。誰が使った縄なんだろう。(・・・冠松次郎・・・。)岩稜では、岩を確かめながら行く。朝のようなことはしたくない。あのときだって確かめたつもりだったのに。P7を巻いたところで…左足をクサッタ雪に取られかけた。体が半身になった。右足と右手が効いていたから良かったが。ノーザイルだったから怖かった。不用意に動けなくて、手をかしてもらった。左足が利き足で、それを支点にしての右足の蹴りこみはいいが、逆は弱い。かなり意識しておかないと危険だ。ぽつりと落ちてくるものがある。P8を2回懸垂で降りたところが、中山沢のコル。5時半。今日のビバーク地。ザイルを使うことも多く、ガレ場の降りにも時間がかかり、目指した白樺台地には届かなかった。最後の懸垂では、若干支点が弱いのでクライムダウン調にして、確保器は使わない。(今回小さなエイト環を持っていない私は、軽さを取ってATCにした。)カラビナを2枚使って制動を効かせる方法を教えてもらう。霙がツエルトを叩く。冷え込んできた。
    4月30日 第3日目 中山沢のコル〜白樺台地を越えた地点霙は雨に変わって一晩降り続いた。辛うじてFMしか入らないラジオは当てにならず、雲行きをうかがう。かなり小ぶりになったところで、行動開始。11時。テント撤収し終わるころには、あがるが、視界が悪い。雪で「く」の字に書かれたルンゼを登る。赤岳一峰から見えない二峰を目指す。今回のルート第二の核心部。だが、一つの資料によれば、「多少難しいところもあるがザイルを必要とするほどではない。」とある。それにしては、かなりきわどいルートに出くわす。岩稜と岩稜の間を落石たちがうまくうめてできた、細い橋を渡る。空中綱渡りの気分。橋通過後に出てきたのは、アイゼンの爪さえ置くところのないスラブ。岩の上のリッジに手をかけカニになる。しばらく降りるが、ルートに??マークがついてくる。一峰に登り返し、地図とコンパスで確認。どうやら、尾根を違えていたらしい。二峰は、南西の方角だ。少し進むと、アイゼンの爪の傷が岩に見られる。OKだ。懸垂の支点も出てきた。二・三・四・五峰を越え岩稜が終わると、白樺が顔を出す。白樺台地も近いらしい。雪壁をトラバースしていると、下のほうに頭に赤い飾りをつけたきれいな雷鳥がつがいで歩いている。飛び立っていく姿も美しい。平坦な雪原に出た、白樺台地。ややのぼりのきつい雪稜を進むうちにガスがきれ、正月の北鎌が、槍の穂が一層身近になって現れた。?時半。ころあいの良いビバーク地にスコップを立てる。ここから、硫黄岳からの軌跡を追うことができる。ホワイトアウトの中の行動がこの視界の中でつながった。なんだか、やたらと嬉しい。あんな岩稜だったのか、あんなやせた雪稜だったのか!!!いくら見ていても飽きない。硫黄尾根は、終わった。クサッタ雪にプラブーツの中に入り込まれ靴下を濡らされる。装備の一つに「新聞紙」があった。これが、吸水性抜群。使い慣れない私は、どうしても「直火」に頼ってしまいがちだが、Nさんは、さすが。濡れた新聞紙をまるで、海苔でもあぶるように乾かしては、再利用する。
    5月1日 第四日目 白樺台地上部〜上高地・・・新宿
    久々に御来光を見た。淡い太陽。これが春の朝の陽なのか。穏やかだ。??時、西鎌尾根から肩の小屋へ向かう。肩の小屋からの雪壁にきれいな二本のシュプールが描かれている。なんてリズミカルな息の合ったスキーヤー達なんだろう。山スキーの爽快感を思い出す。オコジョ??身体に縦に太い縞を三本くらい走らせた小さい生き物発見。リスを一回り大きく、且つ四角っぽくした感じ。岩稜と雪壁を身体に取り込んでるの?いつか、純白の君にも会いたいものだ。肩の小屋11時着。休憩後、一気に下る。もう、惰力走行だ。傾斜があるうちは良かったが、横尾からの平坦な道は自力で歩かないと進まない。まだまだ、修行が足りません。
    下山して
    今回、名目上「リーダー」として、山行計画・装備表を作成した。地図上に、ルートを落とす作業もしてみた。例によって山行準備は、慌しく進められ不十分だったが、「自分で」考えることがいつもより多かった分だけ、勉強になった。優しい部分は、先を歩かせてもらった。(初日は別)どうかな・・・という部分も、トップで歩くことに挑戦してみたい気もする。たくさんの経験の中でルートを読む力もつくだろうから。山行前に地図をぎっちり頭に入れて、山行には地図を持っていかない人を知っている。持っていかないことを真似できないが、それくらい、地図を読んでおきたいと思った。左右のキック力の違い・・・左の弱さを、承知してけりこまないと。クサッタ雪の難しさが、身にしみた。硫黄>北鎌という式を実感した山行だった。 

    1、装備と活用について{*反省と問題意識の纏め}
    (1)時計の電池切れに新宿で気付く{×失敗}
    (2)ラジオの感度{×が良くなくてあまり使えなかった}
    (3)クサッタ雪でも靴の中・ズボンのすそを濡らさない工夫はないものか。
      {*スパッツは付けるが雨具下を付ける程の必要がない場合結果として裾が濡れてしまうので}
    ・ 濡れた靴下を嫌がらず履き、夜乾いたもので快適に休む。{*一度濡らすと乾かすのが難しい。睡眠時は濡れた靴下だと最悪なので・・・実感しました}
    ・ 冬山でもゾウ足を持たないことが多いが、あればいいなと思った。{*私は冬はゾウ足は替えの靴下と同じく必須です・・・凍傷しているので尚更なのですが}
    (4)新聞紙の活用{*天気が崩れる場合は必須と実感}
    (5)水分を多く摂る
       ・喉の渇きとは別に体内の水分は不足してくる。
    (6)ろうそくはいい。
    ・ 何と言っても、炎の温かみがいい。定着型以外は、ランタン持たずにろうそくとヘッ電で済ます。      
    ・ ぺツルの新型は有効。{*長時間使用可・軽量}
    (7)予想以上に捨て縄使用
    ・ 不足ではなかったが+αあったほうが安心
     {*一人今回は長い物×2・短い物3でしたが・・・私は短い物×5。終わって手元に残ったのは長短3}
    ・ シュリンゲを作るときの長さ調節が不十分{*長い物の長さは短い物×2にするべきでしたが中途半端な長さの物を使用したので}
    (8)確保器
    ・ 本ちゃんでのATCは、「役に立たない」{*と指導を受けました。}
    (9)ティッシュとロールペーパー
    ・ ロールの方はまだしも、ティッシュは長く残り、自然の中には残して置きたくないものとのこと。
    ・ 労山の「高所登山学校」の参加したとき、使用後ライターで燃やす方法をとった。日本の山でもそれが一番かな?{*ティッシュは丈夫で、分解しにくいので環境庁や自然保護団体は山では使用しないよう呼びかけています。ロールペパーは分解しやすいそうです。持ち帰りが一番良いのですが・・・ウーン難
    しいですね。アラスカでは環境レインジャーが燃えた灰が環境を破壊するので燃やすなと指導しています。どうしても破棄せざる得ないのならクレパスに放り込めと指導していました。}
    (10)アプローチの靴
    ・ Nさん、アプローチでのぬかるみまで予測しての選択・・・納得。私のように普通の靴では雪に対して及び腰になる場合、家からプラブーツという冬のパターンがいいのかな。{*崩れた道や無雪期は運動靴の方が歩きやすいしアプローチで運動靴を使用するというのは楽ですね。ただ、軽さを選ぶあまり運動靴の靴底のタイプに無頓着だとまずいです。滑りにくい物を選びましょう。又、滑りやすくなった物は破棄しましょう。プラスチックの靴は蒸れます出来るだけアプローチで湿らさない工夫が必要です、冬の時は私は捨てても良い綿靴下を履いて、登山口の駅で毛の靴下に履き替えて綿を捨てています}
    (11)水筒
     ・最近、ペットボトルの飲み物を直前に購入しそのまま水筒にする。今回たまたま「エビアンの水」弱いボトルで、扱い注意物だった。
    (13)ハーケン
     ・Nさん愛用の優れもの「ICI/クロモリスパイラルハーケン」が活躍してた。
    技術・・・
     (1)クサッタ雪
     (2)脆い岩
     (3)ルートファインディング
       ・トップは、支点を見つけながら行動することも大切。
     (4)ガレ場の歩き方・足の運び
     (5)ザイルワーク
       ・歩くのと登るのに夢中で、その後のザイル操作につながらない。一連の動きになるように身に付けたい。
     (6)テント設営
       ・Nさん、即行動。私はと言えば、雪を踏むのも億劫なくらい・・。一日の行動で疲れていても、テント設営まで行動の内にいつでも入れておかないと。
     (7)精神面
       ・完全にNさんに依存して行動していました。名目上の「リーダー」さえもどこかへ吹っ飛んでいました。私の目標が「山での自立」だと言うのに!!
     (8)ルート研究と読図
     (9)アプローチから下山までの体力
    感動・・・
     (1)残置シュリンゲ
     (2)硫黄尾根の全体像を見たとき{*白樺台地の上部でビバーグ体制に入るときやっとホアイトアウトが切れ後を振り返れば歩いてきた尾根が見えた}
     (3)私にとっての「ビッグルート」の完結
       ・ルートの長さ、岩稜の脆さ、連続した前衛峰群の迫力。
        北鎌とは平行している兄弟のようなルートなのに、その個性たるや全く別のものがあった。硫黄には硫黄の自己主張があった。その主張を私はまだ、受けとめきれない。最後に、この後の山の目標を持ちたい。  K

    ▲私
    入山日素足で運動靴を履いていたら寒さに強いと誤解を受けた・・・ただ靴下を履くと濡れるのが分かっていただけだったのに・・・水俣川にかかる吊橋を渡ってからの道が崩れていて年々悪くなっている・・・今回デジカメを持っていったのだけれども出発前夜バッテリーを換えたのだけれども使用時バッテリィ不足の表示で使えずじまい・・・悲しい。三日目のホアイトアウト状態にはまいった視界10mで迷ってしまい。パトナーに白い目で見られてしまい助けてもらいました。

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